守破離

しゅはりと読みます。
この言葉は 剣道を修行していく上で とても大切な言葉で 私の好きな言葉の一つです。

守破離の守は教えを守る。
これは修行の初期の段階を示す言葉です。修行を始めた時は 先生の教えを守る、ひたすら守る。挨拶の仕方から始まって竹刀の持ち方、足の運び、構え方、打ち方すべての点において先生の言うことを守ります。稽古の段階で言うと 基本打ちを教えてもらう段階ですが 試合に出るようになっても 先生の教えを守ることは すべての基本です。

守破離の破は教えを破る。
これは、修行が進んだ段階で、今度は 先生の教えと違ったことを 試してみる。決して反抗することではありません(笑) 、先生の教えを元に自分なりにそれをアレンジしてみる。稽古の段階でいくと 出稽古を許されて 他の道場で色々な人と稽古をさせていただくことにより 自分の剣見つめ直すといったところでしょうか。ちなみに 道場では先生の許しなしに他へ 出稽古に行くことは ご法度です。
これならよその道場へ行っても 失礼が無いだろうというところで先生は 出稽古を許してくださるので
勝手に 他の道場へ行くことは 自分の道場にも 他の道場にも失礼にあたります。

守破離の離は教えを離れる。
これは 修行が最も進んだ段階です。先生に教えていただいたことをもとに 自分なりに修行を続け、ついに自分の流派を 作り上げることです。昔で言えば 柳生新陰流とか 二天一流とか 北辰一刀流といったろころです。
このように 始めのうちは 先生の言うことをひたすら守り 基礎をしっかり築きあげる、そしてそれを元に自分のなりにいろいろ応用してみて最後に 自分の物を作り上げるという 剣道だけではなく 日常生活の上でも
大切な概念ではないでしょうか・・・

尊聞行知

そんぶんぎょうちと読みます。
これは 字の通り 聞くことを尊び行いを知るということです。
さきほど 守破離のところでも 述べましたが 先生の言うことを聞くというのは とても重要です。
少年指導をしていて 思うことは こちらの指示を正確に聞き取ることのできる子は 非常に上達が早い。
それは 難しいことではなくても 指導者が 右に動きなさいと言ったら右に動く、座りなさいといったら座る、
素振りを20本しなさいといったら 聞き返すことなしに20本振れる。そんな簡単なことなのです。でも聞くことに集中できない子は みんなが 一斉に何かを始めても 全く 動くことができません。同じ注意を何度も繰り返すことになります。
これは 稽古を始める時の心構えでも少しふれましたが 聞くことができないと 安全面にも支障をきたします。
安全に稽古を進めるためにまた 技術を向上させるために ”聞く”という姿勢は非常に重要です。

なかには 私の言う事は 必ず聞きな といったために 試合稽古の最中の私の指示を 試合を中断して 私の方を振りけり聞こうとした 子供さんも いました。「今は ええの 聞きながら試合しなさい」といいましたが
それくらい 集中して耳を傾けようという態度に 私も 感激し 下手なことはいえやんなぁと気持ちを引き締めました。